疲れを翌日に残さない。夜のストレッチ習慣【下肢前面編】

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はじめに

前回は、夜に取り入れたい呼吸法と下肢(下半身)の後面のストレッチを紹介しました。
今回はその続編として、下肢前面(脚の前側)のストレッチをご紹介します。

一日の終わりに前側の筋肉をゆるめることで、翌朝の脚の軽さや腰まわりのスッキリ感が大きく変わります。
特に、デスクワークや立ち仕事、長時間の歩行で疲れがたまりやすいのが下肢前面の筋肉です。

  • 前脛骨筋(すねの前)
     つま先を上げるときに使う筋肉で、歩行や立位で常に働いています。夕方にはパンパンに張りやすい部位です。
  • 大腿四頭筋(太もも前)
     膝を伸ばす動きで使われる筋肉で、歩行や階段の上り下りで大活躍。硬くなると腰や膝に負担をかけやすい部位です。
  • 腸腰筋(股関節の前側の奥)
     座り姿勢で縮こまりやすく、腰痛や姿勢の崩れにつながる筋肉です。良い姿勢を保つうえでとても重要な役割を果たします。

これらの筋肉を放っておくと、「脚が重い」「腰が張る」「疲れが翌日に持ち越される」といった不調につながります。だからこそ、寝る前にリセットしてあげることが大切です。

ストレッチ方法(実践編)

下肢前面の筋肉をゆるめるためのストレッチを3種類紹介します。
どれも布団やマットの上で簡単にできるので、寝る前の習慣に取り入れてみてください。


前脛骨筋(すねの前)ストレッチ

方法

  1. 座った姿勢で、右の足を左ももに乗せる
  2. 右足の足首を右手で掴み固定、左手は右足指を軽くつかむ
  3. 足首は固定したまま、足指を持っている左手でゆっくりと内回し・外回しにぐるぐる回す
  4. 10回ずつ、無理のない範囲で行う
  5. 終わったらもう片方の足にうつる(もう片方の足も1〜4の流れで行う)

ポイント

  • 動きを大きくするより「心地よい範囲」で行う
  • 足の甲やすねの前に伸びを感じるくらいが目安
  • 呼吸を止めず、ゆっくりとした呼吸を心がける

注意点

  • 痛みが出る動きは避ける
  • 力を入れすぎずリラックスして
  • 足をももの上に乗せられない場合は台の上に置くなど工夫する(無理な体勢で行わない)

大腿四頭筋(太もも前)ストレッチ

方法

  1. 床に座って片膝を曲げ、かかとをお尻の横につけるようにする
  2. 上体をゆっくり後ろに倒していく
  3. 太ももの前が伸びているのを感じながら30秒キープ
  4. ゆっくりと上体を起こし、もう片方の脚にうつる(もう片方の脚も1〜3の流れで行う)

ポイント

  • 腰が反りすぎないよう注意
  • 両手を後ろについて支えながら行うと無理がない(両手は横についてもOK)
  • 呼吸を止めず、ゆっくりとした呼吸を心がける

注意点

  • 膝や足首に強い痛みが出る場合は中止
  • 上体を後ろに倒していく時に膝が床から離れたところまで伸ばせれば良いので、それ以上上体を無理に倒さないようにしてください
  • この姿勢では前脛骨筋(すね)も同時に伸ばせます

腸腰筋(股関節の前)ストレッチ

方法

  1. 片膝を床につき、もう一方の脚を前に出して膝を直角(90度)にする
  2. 重心をゆっくり前に移動させる
  3. 後ろ足の股関節の前が伸びているのを感じながら30秒キープ
  4. ゆっくりと重心を元の位置に戻したらもう片方の脚にうつる(もう片方の脚も1〜3の流れで行う)

ポイント

  • 背筋を伸ばし、目線は前に
  • 前に出した膝がつま先より前に出すぎないように注意
  • 呼吸を止めず、ゆっくりとした呼吸を心がける

注意点

  • 腰を反らしすぎない(骨盤を前方に移動させるイメージ)
  • 痛みが出る場合は浅い位置でキープ
  • 膝立ちができない方は他の方法があるので、この方法は行わない。

まとめ

下肢前面は、歩行や立位、座位など日常生活の中で常に使われているため、疲労がたまりやすい場所です。
前脛骨筋・大腿四頭筋・腸腰筋を寝る前にストレッチでほぐしてあげることで、翌朝の脚の軽さや腰まわりのスッキリ感が変わってきます。

ポイントは「短時間でも毎日続けること」「痛みのない範囲で行うこと」です。
30秒でも習慣化すれば、疲労の持ち越しを防ぎ、体のコンディションが整いやすくなります。

また、呼吸と組み合わせるとリラックス効果が高まり、睡眠の質の向上にもつながります。
どのストレッチでも呼吸を止めないで行うと短い時間でも効果が上がります。
「疲れを翌日に残さない夜の習慣」として、ぜひ今日から取り入れてみてください。

次回は【股関節編】をお届けします。
日常生活や姿勢に大きく関わる股関節をケアすることで、より全身が整いやすくなります。どうぞお楽しみに!


参考URL

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