呼吸を整えるセルフケア

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〜日常に取り入れやすい呼吸法と、私が実践している方法〜

1. はじめに

「呼吸はいつもしているのに、意識することはほとんどない」
そう感じる人は多いのではないでしょうか。

実際、私たちは一日に2万回以上も呼吸をしています。しかし、そのほとんどは自動的に行われていて、呼吸がどんなリズムなのか、深いのか浅いのか、あまり考えることはありません。

けれども「呼吸」は、心と体をつなぐ架け橋です。呼吸を整えるだけで、緊張が和らいだり、頭がすっきりしたり、夜の眠りが深くなったりします。さらに、呼吸は自律神経(交感神経と副交感神経)の働きと密接につながっていて、呼吸を意識的に変えることで気持ちを落ち着けたり、逆に集中力を高めたりすることもできます。

薬も道具も必要なく、今すぐできるセルフケアの一つ。それが「呼吸を意識すること」です。

今回は、いくつか代表的な呼吸法をご紹介しながら、私自身が日常で続けているヨガで学んだ呼吸法もシェアしたいと思います。


2. 呼吸と心身の関係

呼吸には、自律神経を整える力があります。

吸うとき交感神経が優位になり、心拍数が上がって体は活動モードに。
吐くとき副交感神経が優位になり、リラックスモードに切り替わります。

つまり、呼吸のリズムを意識することは「自分で自分の状態を調整するスイッチを押す」ようなものです。
仕事や家事、育児の合間にほんの数分取り入れるだけで、気持ちを切り替えたり、心を落ち着けたりすることができます。

ここで大切なのが「浅い呼吸」と「深い呼吸」の違いです。

  • 浅い呼吸:胸だけが小さく動き、呼吸が速くなりやすい。交感神経が優位になり続け、体や心が緊張しやすい状態に。肩こりや疲労感、不安感につながることもあります。
  • 深い呼吸:お腹(横隔膜)までしっかり使うことで、吐く息がゆっくりと長くなり、副交感神経が優位になりやすい。体が緩み、心が落ち着きやすくなります。

まずは、
 ①「今、自分の呼吸に意識を向ける」
 ②「どんな呼吸になっているかを感じる」
この小さなステップだけでも、自律神経を整える第一歩になります。


3. 胸式呼吸

胸式呼吸は、胸や肩を使って空気を取り込む呼吸のこと。
ストレスがたまったときや、集中しているときに自然と出やすい呼吸です。

  • 浅く速い呼吸になりやすい
  • 酸素の取り込みが少なく、体が緊張モードに傾きやすい
  • 首や肩の筋肉を使うため、コリや疲れの原因にもなりやすい

一方で、胸式呼吸は「体を素早く動かす準備モード」ともいえます。
スポーツの場面や、ここぞという集中が必要なときには役立つ呼吸法でもあります。

ただし、日常生活の多くの場面で胸式呼吸が習慣化すると、
慢性的な疲れやストレスの蓄積につながることがあります。


4. 腹式呼吸

胸式呼吸に比べて、腹式呼吸はお腹を膨らませたりへこませたりして行う呼吸です。
横隔膜を大きく動かすため、体の深い部分まで空気が届きやすくなります。

  • ゆっくり深い呼吸になりやすい
  • 副交感神経が働きやすく、心が落ち着きやすい
  • 酸素をしっかり取り込めるので、体の疲労回復にもつながる
  • 首や肩に余計な力が入らず、筋肉の緊張を和らげやすい

腹式呼吸は「休息モードをサポートする呼吸」といえます。
寝る前や、緊張したあとに心を落ち着けたいときに取り入れると効果的です。

腹式呼吸は、自律神経を整えるための代表的な方法です。


5. ボックス呼吸

「ボックスブリージング」や「スクエア呼吸法」とも呼ばれ、イエール大学の心理学者デビッド・クレマンスキ氏が提唱したとされています。アスリートや軍隊でも取り入れられている呼吸法です。

やり方はシンプルです。
「吸う → 止める → 吐く → 止める」を同じ秒数で行います。例えば4秒ずつ。

  • 4秒吸う
  • 4秒止める
  • 4秒吐く
  • 4秒止める

これを繰り返すだけです。
頭の中に四角を描きながら呼吸するとイメージしやすいので「ボックス呼吸」と呼ばれています。

この呼吸法の特徴は、“均等なリズム”を意識することで心身を素早く落ち着けられる点。特に緊張するプレゼンの前や気持ちを整えたいときに効果的です。呼吸を止めることに意識するとやりやすいですよ。

ここまで紹介した3つの呼吸法(胸式呼吸・腹式呼吸・ボックス呼吸)は、シーンに合わせて使い分けることができます。

  • 胸式呼吸は、活動的なシーンで気持ちを切り替えたいとき。
  • 腹式呼吸は、リラックスしたいときや睡眠前。
  • ボックス呼吸は、緊張を落ち着けたいときや集中を高めたいとき。

このように呼吸を使えるようになると、日常の中で気持ちを整える選択肢がぐっと広がります。
そして最後に、私自身が日常的に取り入れている呼吸法をご紹介します。


6. ヨガで学んだ呼吸法

ここまで3つの代表的な呼吸法をご紹介しましたが、私が特に取り入れているのは、ヨガで学んだシンプルな呼吸法です。ちょっとアレンジもしています。

基本型

  • 吸う:止める:吐く=1:1:1
  • 例えば「4秒吸う → 4秒止める → 4秒吐く」

このリズムで繰り返すだけ。とてもシンプルですが、呼吸の流れが自然と整っていきます。
理想は鼻呼吸で行えると良いです。鼻で吸って、口から吐く方が慣れているならそれでもOKです。

発展型

慣れてきたら、吐く時間を少しずつ長くします。
吸う・止めるを4秒のままにして、吐くを6秒、8秒と伸ばしていく。そうすると副交感神経が優位になり、体がじわっと緩んでいくのを感じます。

 ・例1:4秒吸う→4秒止める→6秒吐く
 ・例2:4秒吸う→4秒止める→8秒吐く

全ての時間を伸ばすのもOKです。1:1:1の割合はそのままで、全て6秒、8秒と伸ばしてみてください。

 ・例1:6秒吸う→6秒止める→6秒吐く
 ・例2:8秒吸う→8秒止める→8秒吐く

私が教えていただいた時は「16秒吐くのを目指してね」と軽く言われ、「え、できるの…?」とか「それは長いのでは!?」と心の中で思ってました。(笑)今は頑張ればいけます!きついですけどね…(笑)

私が取り入れている呼吸法

どの呼吸法も使っていますが、今はこの呼吸法を「朝のスタート前」と「夜の寝る前」に実践しています。
8秒吸う→8秒止める→8秒吐くを基本にしてその時の状態に合わせて調整している感じです。

朝に行うと気持ちが整い、落ち着いた状態で1日を始められます。夜は頭の中のざわめきが静まり、眠りが深くなる感覚があります。ちょっとしたマインドフルネスに近いかもしれません。

また、集中して作業をした後にも取り入れるようにしています。私は仕事に夢中になると無意識に呼吸が浅くなったり止まったりしていて、その反動でどっと疲れたり肩が凝ったりします。そこで一度この呼吸法を行うと、体と頭がリセットされて回復が早くなります。

「道具がいらない」「場所を選ばない」という手軽さもあって、生活の中で自然に取り入れられるのが大きな魅力です。


7. 呼吸を整えるコツ

呼吸法を生活に取り入れるときには、ちょっとしたコツを意識すると継続しやすいです。

 ・呼吸の深さより「リズム」を意識する
  吸う・吐くの深さよりも、一定のテンポを保つことが大切。リズムが整うだけで自律神経も安定しやすくな
  ります。
 ・吐くことを意識する
  息を吸うよりも「吐く」ことにフォーカスしましょう。長めにフーッと吐くだけで、心身がリラックスしやすく
  なります。
 ・隙間時間にやる
  まとまった時間を取らなくても大丈夫。移動中や寝る前、ちょっとした待ち時間など「1分だけ」でも続けれ
  ば十分に効果があります。

呼吸は無理をすると逆に苦しくなります。自然な範囲で心地よく続けることが大切です。


8. まとめ

呼吸は、普段は無意識に繰り返しているものですが、少し意識を向けるだけで心と体を支えてくれる大切なセルフケアになります。

胸式呼吸は、体を動かす準備や集中したいときに。
腹式呼吸は、リラックスや休息を深めたいときに。
ボックス呼吸は、緊張を和らげ心を落ち着けたいときに。
ヨガで学んだ呼吸法は、日常に取り入れやすく、リズムを整えて気持ちをリセットする助けになります。

それぞれに役割があり、そのときの状況に合わせて選ぶことができます。大切なのは「正しくやろう」と力むことではなく、「ふと思い出したときに、ひと呼吸してみる」くらいの気軽さです。1日1分だけでも、心と体は少しずつ整っていきます。

私自身も、朝や夜、そして仕事の合間に呼吸を整えることで気持ちを切り替えやすくなり、生活にゆとりが生まれるのを感じています。また、感情のコントロールとして会話の中でイラッとした時、落ち込みそうになった時に一呼吸入れるようにもしていますね。

呼吸は特別なものではなく、いつでもあなたのそばにあるセルフケアです。
今日から、ほんの一息。小さな習慣として取り入れてみませんか?

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